ラーメン伝説第4部 4-1-6

「え、えらい事や米軍が……」
道行く人々は騒然としている。
「食料と弾薬を連中が来る前に売り切れ!」
米国の本格的な支援で物資が在庫になるのを恐れたのか男はそう言って手配を始めた。

ビートはそんな喧騒を他所に普段通りに下拵えを続ける。
「俺はラーメンを作るだけだ」
一同を前にそう言いきった。
その一言に落ち着きを取り戻したのか各自営業の準備を再開した。
スポンサーサイト

ラーメン伝説第4部 4-1-5

「ビート君!ラジオをつけてくれ」
血相を変えたファブールが息を切らして言う。

「……米海軍の駆逐艦が謎の雷撃を受け損傷、北ベトナム軍の攻撃と判断し米艦隊が攻撃しました……新たな情報が入りました、北ベトナム側が反撃し双方に死者が出たとのことです!」

ラーメン伝説第4部 4-1-4

目まぐるしく日々は過ぎていき気が付けば1964年も半分を過ぎていた。
「そう言えば今年のオリンピックはミュンヘンだったな」
米軍事顧問団の人間がそんな話をしながら通り過ぎていく。

ビートは何時も通り開店の準備の為、下拵えをしている。
ヒョットンザの上達も中々のものであり将来が楽しみだ。

ラーメン伝説第4部 4-1-3

ビート達は「聖なる山」と思われる地域を隈なく調べたがブラックオクトパスどころかハルキゲニアの形跡すら掴めなかった。

見立てが間違っていた可能性を入れてビート達は越南各地を走り回り情報を集め続けた。
時には大黒の依頼を受けて糧秣の製造を行い時には高官の秘密交渉の準備を手伝った。

ラーメン伝説第4部 4-1-2

「騒ぎが大きくなる前に村を出ろ、そしてこの村に近付くな」
警官の顔にはこれ以上は庇えないと書いてある。
「わかりました」
力なく一行はトラックに分乗し村を出た。
立ち上る煙は遠くなり視界から消えていく。
騒々しく降る雨は全てをかき消すかのように続いた。