ラーメン伝説第3部 5-14-8

「支援射撃は……そうですか……」
指揮所と連絡をとる警部は歯を食いしばっていた。
一味が盾代わりに使用しているカウンターはルノーNCで砲撃するには死角に位置してる。
これを撃つには死角を作っている建築物を破壊するか隣のビルの壁を破壊して背後から撃つしかない。
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ラーメン伝説第3部 5-14-7

だが小銃弾の持つ貫通力や弾重が持つ運動エネルギーを武器に警官隊の負傷者を増やすキュモス一味。
負傷者が同僚に引きづられて後退していく。
「クソッ、連中徹甲弾まで持ち込んでいやがる!」
彼は悪態を吐きながら収容された。
小口径かつ重量ある徹甲弾はその弾速でカウンターを貫いてなお運動エネルギーを保ったまま警官隊を痛めつける。
自身らが盾代わりに使うカウンターから身を乗り出さずとも彼らは警官隊に損害を与える事ができるのだ。

ラーメン伝説第3部 5-14-6

「突入!」
徹甲榴弾で破壊された入り口に突入部隊が殺到する。
軽戦車とは言え小型自動車より大きいルノーNCでは流石にビル内への突入は難しいので硬目標への射撃や支援が主任務だ。

ビル内ではゴム長を始めとするキュモス一味と警官隊の銃撃戦が発生した。
散弾銃や機関短銃を主体とし近接火力に優れる警官隊とヘートマン式自動小銃を装備したキュモス一味。
屋内での取り回しの悪い小銃装備のキュモス一味が劣勢になるかと思われていた。

ラーメン伝説第3部 5-14-5

 ルノーNCのエンジン音が響く。
もうすぐ『一時間後』である。
警部は時計を見て残り時間を確認した。
「A(恵比寿 剛一)氏がまだ到着していないが予定通り開始する。
10…9…8…」
指揮所からカウントダウンの通信が入った。
皆、固唾を呑む。
「3…2…1……開始!」
「撃て!」
開始命令と同時に通信機から車外の警部の声が飛ぶ。

ラーメン伝説第3部 5-14-4

 装備の点検に勤しむ調査隊。
長距離自走したので特にルノーNCは念入りに点検しなければいけない。
「それが終わったら少し休め」
声のする方を見ると警部が小さなビニール袋を持って戻ってきた。
袋の中身は警部達が飲んだ物と同じものが人数分入っていた。
「一時間後に我々は突入待機に入る。
装備の確認も重要だが、それを動かす人間がくたばられていたら発揮できないだろ?」
村友達もやはり疲れている事を自覚していなかったようだ。
点検を終え調査隊は短い休憩に入った。

ラーメン伝説第3部 5-14-3

「最後の仕上げだ、連中を逮捕できれば一連の騒動も終わる」
現場指揮官は市販の栄養ドリンクを呷り言った。
列席者達も同じ物を飲んだ。
ホワイトボードには各隊の配置が記されそれぞれの役目が口頭で告げられた。
「バルバンビルの本来の所有者の恵比寿 豪一氏も後から来るとの事なので
各自、恵比寿氏の安全に留意すること」
ざわめく余力すら無い指揮官達。
理由を告げられ渋々と同意する物もいた。

ラーメン伝説第3部 5-14-2

 ルノーNCがバルバンビル包囲網に到着すると即座に長井警部はNCから降りて指揮所へ向かった。

「ラーメン調査隊の長井です」
警部は指揮所にいる各隊指揮官に挨拶した。
現場指揮官が口を開いた。
「海賊ヘートマンの件で大変だっただろうがもう少し気張って貰いたい」
彼の顔にはここのところ立て続けにおきるキュモステロで疲労困憊だった。
「はッ!」
他の列席者も皆、顔に疲労の色が濃く見えている。
警部自身も自覚はなかったようだが傍から見れば疲れていたのだ。

ラーメン伝説第3部 5-14-1

「疲弊息」

 キュモス一味の立て篭もる「バルバンビル」に向けて距離を詰めるルノーNC。
市街地には人気は無い。
警察署襲撃が報道に乗り市民は自宅で怯えながら事態が終息するのを待っている。
市内の学校も臨時休校にされ、普段は白煙を濛々と上げる工業地帯の煙突達も沈黙を保つ。
まるで街一つ死んでしまったかのような錯覚に陥る。
高速道路も封鎖され上空には県警航空隊のヘリが警戒を行っていた。

ラーメン伝説第3部 5-13-6

「私はあのビルの内部に詳しい。かならずお役に立てると思います」
恵比寿の熱意に、刑事もついに折れる。
「わかりました。護衛を付けますので検査後、現場に行きましょう」

「ありがとうございます!」
伝説の男、恵比寿豪一の伝説が始まろうとしていた。

ラーメン伝説第3部 5-13-5

「しかし、まさか小田ゴム長が、悪党の手下だったとは・・・」
落胆する恵比寿。

「今では、悪党の拠点にされてしまった。なんとしてもビルを取り戻したいです」
恵比寿の覚悟は固まる。

「刑事さん。病院での検査後、私もあのビルにすぐ行きたいです」
「恵比寿さん。それは危険ですよ」
刑事が止める。