ラーメン伝説第4部 1-3-10

身内とは言えとんだ親馬鹿である。
虎将はまだ若いから越南に派遣されないだろうと高をくくっていたが
成績優秀だった事もあり派兵に参加する事を許可されてしまう。

その報を聞いた実姉は頭を抱えたが腹を決め、手元にあった輸入品の自動拳銃を渡したらしい。
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ラーメン伝説第4部 1-3-9

虎将は親父(虎之助)が暗殺された時、真先に仇を討つと言いだして
周囲の反対を押し切り軍に入ってしまった。

虎将が心配だが真・日本国時代に前線指揮官だったせいで
軍内部ではそれなりに有名人である実姉はとやかく口を出せないので
代わりに見ていて欲しいと言うのだ。

ラーメン伝説第4部 1-3-8

現社長は『妙音寺 菊代(みょうおんじ きくよ)』と言う名前だ。
(……どこかで聞いた事があるような名前だな……ちょっと待った。
虎臣[たけみ]姉貴の友人がそんな名前じゃなかったか?)

岩丘 虎臣(いわおか たけみ)……双子の実姉のうち腐った趣味の方だ。
俺が越南行きを決意したもう一つの原因、岩丘 虎将(いわおか こゆき)の母である。

ラーメン伝説第4部 1-3-7

(まるで市場だな)
俺は建物に入るなりそう思った。
店内には様々な言語が飛び交い活気が溢れていた。
小口の客はカウンター越しに店員と交渉し、身形の整った客は奥へ通されている……おそらく大口の取引なのだろう。
壁に掛けられた社史によると元々は便利屋の類だったらしい。
第一次大戦で規模を一気に大きくした典型的な成金企業だ。

ラーメン伝説第4部 1-3-6

「車体は……『妙音寺通商』に行くと良いでしょう。この町にも支店がありますので」
妙音寺通商とは新興の総合商社で『国際法に触れないもの』なら扱っていない物が無いと言われるくらいに品揃えが優れている事で有名だ。
ただし専門の卸売に比べると小回りが効かないのでどうしても割高になりがちだが。
国境を跨ぐ様な大規模な商取引だとその強みを発揮するので同業他社から恐れられている。
地図を渡された俺はとりあえず妙音寺通商の支店へ向かう事にした。

ラーメン伝説第4部 1-3-5

瞑目し一息吐いた宮川は口を開いた。
「設備を中古でなおかつ自分で組み付ければ設備のみならその額で何とかなるかもしれません」
「それなら自信があります」
宮川の言葉を聴いて自信を込めて答えた。
俺は仲間達と一から店舗を作ったのだ、そこを考えれば根拠は足りている。

ラーメン伝説第4部 1-3-4

「車体抜きの設備のみでコレぐらいですかね……」
計算機を操作して結果を見せた。
「これぐらいになりませんかね?」
俺の提示した額を見て目の前の人物の顔が引き攣った。

決して金欠な訳ではない。
だがブラックオクトパスに辿りつくまでどれ位かかるか判らない以上、余裕を持たせたい。

ラーメン伝説第4部 1-3-3

米印で水陸両用車と書いていあるが取り消し線が重ねて描かれていた。
大黒が目立ち過ぎると反対したのだ。

「結構な額になりますよ?」
宮川の勤めている『溝田フードセンター』は名前通り食料品を扱うので業務用の設備なら概算を組む事はできる。

ラーメン伝説第4部 1-3-2

「それならここへ着く前に少し大黒と相談してみました」
シャツのポケットから紙切れを取り出す。

紙切れを広げるとそこにはトラックの絵と厨房設備の配置が描かれていた。
宮川は予想図を注視した。

荷台だった場所には所狭しと厨房機器が並び、現地で入手できる食材で対応できるように浄水器や冷蔵庫、そして小型の発電機まで完備した気合の入った物だ。
車外のラックには折りたたみの机や椅子が増加装甲の如く載せられている。

ラーメン伝説第4部 1-3-1

「身内」

「じゃあ、俺はこれで」
自分の飲食した分の代金をテーブルに置いて席を立つ。
お互いの方針も決まった事もあり大黒はそそくさと外へ出て行った。
その様子から見ると他にも用事があるようだ。

「ラーメンの屋台ですが何か試算とかはしたのでしょうか?」
宮川 修太郎は屋台の件を尋ねた。